剣岳合宿
期 間 :2002.8.10〜16
メンバー:田中 荒松 中野 坂地(記録)
行けば雨、行かずば晴れの山行でした。結局、1週間いて1本も登れず、ビール代ばかりかさみました。自分の筆で述べてゆくと、愚痴ばかりの見苦しい報告になるので、アラ松氏の御好意により、氏が書きためられた手記と詩を掲載せさせていただいきました。
(注) 本報告のアラ松氏と福島労山の荒松氏とは別人です。
<アラ松氏の手帳より>
10日(土)
21:00 OCATの玄関着
21:20 だれも来ていない。田中君の携帯に電話するがでない。山に行く前から行方不明になるとは・・・ ほんとうに手間のかかる奴らだ!
「遭難」 −OCATの玄関にて
だれもいない
だれも来ない
山行はこれからというのに
みんなは遭難したのか
おれは一人だ
せっかく岸×田から出てきたのに、仲間を見捨てて帰るわけにはゆかぬ。
(中略)
OCATの裏の駐車場でみんなを発見。遭難していたのは自分であった。沼田君は熱で行けぬと言う。残念である。でも沼田君のザイル、だれが持つのか・・・・(やっぱり僕か?)
「星落秋風OCAT」
ナンバ悲秋の風更けて
陣雲暗しOCAT、
零露の文は繁くして
草枯れ馬は肥ゆれども
福労の旗光無く
鼓角の音も今しづか。
沼田君病あつかりき。
<アラ松氏の手帳より>
11日(日)
お腹の具合が悪い。ウ×コがでそう。なのに小屋の100メートル手前で休憩するなんて・・・・ 我恨田中君。 ウッ・・・
(後略)
<アラ松氏の手帳より>
12日(月)
チンネ恋しや、腰心配。
田中、中野、坂地の3人はチンネ左稜線を登りに三の窓へ。僕は腰痛でリタイヤし、別山往復。
「ファンクラブ」
腰も不安
お腹も不安
登るのも不安
僕のまわりは不安ばかり
不安倶楽部でもつくろうか
<アラ松氏の手帳より>
13日(火)
3人が三の窓でビバークして帰ってくる。雨でチンネは登れなかった様子。(ホッホッホッ)晴れてきたので散歩がてら3人の様子を見に行こう。雨が降るといけないので、ビニール傘も持っていこう!
「傘」
前剣に傘を忘れた
ノースフェースのビニール傘
笠ケ岳なら忘れなかったのに
(注)ノースフェースのビニール傘だと主張しているのは氏だけで、我々3人には198円のビニール傘にしか見えなかった。
<アラ松氏の手帳より>
14日(水)
今日は、中野君と帰阪。室堂に着くまで、晴れていてくれればOK。そのあとは、ぱーふぇくとすとーむが来てもOK。できれば17日まで雨が降るのが望ましい。
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荒松さんと中野さんはこの日早く帰った。しかたがないので以下、坂地記す。
14日(水)
朝からいい天気。荒松さんの残していってくれたビールを田中さんと二人で、朝から飲む。何もやることがないので、一番大きなコッヘルに山盛りポップコーンを作ってほうばる。くまごろうの到着を待って、昼食を作る。キュウリの入ったポテトサラダと温かいそうめん。二人では食べきれないため、くまごろうにもお裾分け。閑なので、700円のビールを何度買いに行ったことか。帰りの電車賃が心配。ぜひとも「淡麗」を置いてほしい。
15日(木)
2時起床。ガスがかかっているが、熊の岩が見えてくるあたりで晴れてきそうな気配。大きな期待と一抹の不安を抱いてY峰の取り付きまで行くとやっぱり雨。これまでのデータからすると、この雨は1時間以内にやむことになっていたのだが、この日は一時間以上待ってもやまない。泣く泣く剱沢のテン場に戻ったころには本降りになっていた。それからずーっと雨。考えることはみな同じで、雨のあがる一瞬の隙をついて、便所に走る。よって、便所は長蛇の列。待っているあいだに雨は無情にもふたたび本降りになってゆく・・・・
こうすべてが裏目裏目と出ると、いつまでもここにいるのがいやになってくる。田中さんが冗談で口にする「明日帰ろか」という言葉に、すぐ乗ってしまう自分が悲しい。
16日(金)
朝起きると、比較的ましな天気。くまごろうは予定通り源次郎尾根に行くという。くまごろうといっしょに源治郎尾根に行きたいなあと言う気持ちがわいてきた。しかし、こんな天気にだまされる我々ではなかった。我々には蓄積された豊富なデータがあった。行けば必ず雨になるに決まっている。(とうぜん行かなければ晴れるはずだ!)雷鳥沢に下りる我々は、晴れ上がりつつある空を見上げて、予想が的中したことを喜び合った。(ウソ)
アラ松氏は架空の人物で、本当はみんな、坂地が書きました。
(モデルはもちろん荒松さんですが…)
本物の荒松さんの書かれた記録(詩?窓を開けて換気をよくして読みましょう!)もちゃんと下にありますのでお読みください。
剣岳夏山合宿
記録:荒松
8月10日(土) PM9時50分発
8月11日(日) AM8時室堂発−AM12時剣沢着
(曇り一時雨)
8月12日(月) 田中氏、中野氏、坂地氏の三名は三ノ窓へ。
(曇り後雨) この日は、三ノ窓にて雨のビバーク
荒松は別山(2847m)を往復
8月13日(火) 田中パーティーは、雨の為チンネ左稜線登攀を諦め、剣沢へ
(雨後晴れ) 荒松は前剣を往復
にっこり笑っているのは、ウサギギク
雨垂れをつけているのは、チングルマ
かすかにほほ笑むキンポウゲ
季節を過ぎたコバイケイソウ
みんな、風に揺れている
岩と雪の間の小さな世界の主役達
お花畑の妖精達よ
みんな、僕の仲間でいておくれ
別山乗越
この峠を、荷物を背負い、何度行き来したのでしょうか
ザックを降ろし、ひと息つきました
風が吹き、霧が晴れ、一瞬剣岳が姿を現しました
源治郎尾根がすばらしいラインを描き、本峰に突き上げていのが見えます
三ノ窓チンネは、はるか向こうです
今の僕には、チンネ左稜線は、あまり遠い存在でした
前剣への道は、お花畑のすばらしい道でした
あの時の一瞬の晴れ間は、天の恵みでしょうか
山には、いつも喜びと悔しさがあります
今から雷鳥沢へ下ります
今度、この峠を越えるのは、いつの事でしょうか
(荒松)
